てんかんとよく併発する病気とは

てんかんの患者さんの中には、てんかん以外の病気を併発している人が大勢います。
その中でも多いものは、知的障害、運動障害、言語障害です。
特に知的障害は症候性てんかんの患者さんの多くにみられます。
これは、もともとの脳の障害があり、そのことで知的障害とてんかんを併発しているからだと思われます。

知的障害には、言葉の発達が遅れる、読み書きや金銭管理などが覚えられない、などの症状がありますが、程度には個人差が大きく、個別にケアを行っていくことが重要になります。
また、成長した後のことも考えリハビリテーションを十分に受けて、少しでも独立した社会生活を送れるようにしていく必要があります。

側頭葉てんかんがある場合には、記憶障害が起こりやすくなります。
これは、側頭葉てんかんを起こしている人の多くが、海馬硬化といわれる変化を起こしているからです。
海馬は記憶をつかさどる部位で、ここに障害がおこることで、記憶が正常にできなくなります。
海馬硬化を起こすと、側頭葉の組織の一部で神経細胞が脱落し、その部分にグリアというものが増殖し固くなってしまいます。
そのことで、記憶に障害がでてしまうのです。

運動障害も、元の病気があっててんかんを起こしている場合は、その病気が原因となって障害が起こっていることが多いものです。
脳梗塞など脳の病気を起こした人で、障害された部位が運動能力に関わってくる部位だった場合には、てんかんだけでなく運動機能の障害がみられます。
重度のものになると、自分の意思で体を動かすことが難しくなり、寝たきりの状態になっている人もいます。
脳の言語に関係している機能が障害されている時には、てんかんと併発して言語障害が起こるということもあります。

そのようなてんかんに併発する病気は、ひとつだけがてんかんに併発することもあれば、いくつかの病気が同時に併発することもあります。
併発している病気が多いほど、症状は複雑になってきます。

てんかんによる精神障害について

てんかんでは精神障害を併発することも珍しくありません。
てんかん患者さんが併発する精神障害は、様々なものがあります。
最も多いとされているのが、鬱病です。鬱病になると、抑うつ状態になり、意欲の低下が起こることがよくあります。
また、何に対しても興味がなくなる無力感を感じたり、強い不安感に苦しむという症状がでることもあります。

鬱病とは違って、てんかんによる抑うつ状態が起こることもあります。
これは、慢性的な気分の変調をきたす、イライラ感が強くなる、孤独感を強く感じるといった類のものです。
それ以外に、妄想が異常に強くなったり、被害的幻聴があらわれることがあり、症状が強くなると日常生活に支障をきたします。

てんかんに併発する精神障害には性格変化も挙げられます。
これは、てんかんを発症する前に比べて言い方がまわりくどくなる、しつこくなるといった性格変化です。
この性格変化は海馬と関係していることで起きることがあり、海馬は、辺縁系という脳の原始的な部分に属しています。
海馬は、不安や怒りといった原始的な感情と深い関係があると言われています。
そのため、その部位に障害が起こることで、性格変化が起こると考えられます。
普通の人以上に攻撃的な時と穏やかな時の差が激しくなり、ムラのある性格になることがあります。

また、てんかんという病気をもっていることで、精神的なストレスが強くかかり、その結果で精神障害が出てしまうということもあるようです。
てんかんを発症すると一生つきあっていかなくてはいけないことがほとんどで、将来に不安がでてくることが多いようです。
また、いつ発作が起こるかわからないという状態におかれることもストレスの原因となるようです。