EURAP(ユーラップ)って一体なに?

EURAP(ユーラップ)は、抗てんかん薬による催奇形性を検討するために設立された国際的に活動する研究グループです。
催奇形性とは、妊婦による服用によって胎児に影響を与えることで、その確率が高いものは妊婦の摂取を避けると言う措置を行う必要があります。
ただし、抗てんかん薬のように服用しないことで他の障害が生じる場合には、服用せざるを得なくなります。
そのような時には、服用の調整などの方法を行う必要があり、そのためには多くの情報が必要となります。
治験などで収集できるものではないので本人の同意の下、できる限りの情報を集める必要があります。

通常の妊婦の場合、なんらかの奇形を伴う出産になる割合は2から3%と言われています。
これは原因となるものを摂取していなくても疑われるもので、重度でない場合には出産後に対応することで克服できるものがほとんどです。
物質によってはこの催奇形性の割合を高める恐れがあることが知られています。
抗てんかん薬もその一つで催奇形性の割合が2倍から3倍に上がると言われています。
その場合でも10回に9回は障害のない状態で出産することができます。
そのため、服用の回数を抑えることや場合によっては中止することも検討することがあります。

EURAPでは、そのような事例の情報を収集して今後に役立てるために研究しています。
静岡てんかん・神経医療センターに日本支部があり、日本における情報を集約してイタリアのミラノにある本部に送っています。
その集計結果がより良い対応策を見い出すために活用されています。
ただし、患者である妊婦が全て対象となるわけではなく、インフォームドコンセントを行い、同意をした場合にのみ情報が使われるようになります。
調査期間は妊娠24週、28週、出産時、生後1年で、検査などは行わず、アンケートのみを妊婦に対して行います。
集計されたデータは匿名化され個人情報が漏れる恐れはありません。

日本にもあるてんかん関連の協会

日本で活動しているてんかん関連の協会に公益財団法人日本てんかん協会があります。
通称として「波の会」と呼ばれています。
元々患者の家族が集まって活動していた家族会でしたが1981年から社団法人化しています。

全国に支部を持ち、てんかんに対する理解を社会に広めること、患者の社会生活の援護、施策の充実を活動の目的としています。
各支部では患者本人の会や家族会が開かれていてサポートしてくれています。
日本てんかん協会ではてんかんについての理解が深まるように全国での講演を実施したり、多くの書籍やDVDを作っています。
そのほかにも調査や研究活動として、トレーナーの養成や治験ボランティアの活動も行なっています。
そして日本てんかん学会などの関連のある学会との連携も協会活動に含まれています。

国際的なてんかんの協会としては、国際てんかん協会(INTERNATIONAL BUREAU FOR EPILEPSY)があります。
日本てんかん協会はその日本支部としての役割を果たしています。
日本でてんかんに関連する活動については一括して対応している団体です。
なかなか個人では対応しづらい部分で大きな役割を担っています。

本人が命を失うような病気ではなく、発作などによって、生活に一部に障害が及びことがあるだけで注意することで普通に生活を送ることができます。
このような症状で最も恐れられるのは誤解による社会的地位が脅かされることです。
正しい理解を持ってしか解決することができないため、広く一般の人にわかってもらう活動はとても重要なものになります。
特に毎年10月はてんかん月間として制定されてポスターの配布や講演会など啓蒙活動が盛んに行われています。